前回、支出削減2弾として『 万が一 』思考の落とし穴!ホントに必要?その保険①(節約何から・・でもう迷わない!)を投稿しました。
今回は医療保険についてみていきたいと思います。
医療保険
医療保険、入ってますか?
病気や入院治療に備える医療保険・医療特約の加入率は全体で88.5%と生命保険と同様にかなりの高水準です。
10人のうち9人近くは医療保険に加入している計算になりますね。
2人に1人はガンになる世の中だからね。
結論から言います
医療保険は、ほぼ不要です。
いろんな声が聞こえてきましたね(笑)
ほぼみんなが入っている医療保険がいらないなんて信じられないですよね?
逆に、なぜ医療保険が必要だと思っているのでしょうか?
しっかり一つ一つ紐解いていきましょう。
なぜ医療保険に入っているのか?
あなたはなぜ、医療保険に入ろうと思ったのでしょうか?
2人に1人はガンになるらしいし、その時の備えだよ。
急な手術や入院のとき、まとまったお金が必要でしょ?
なんかあったときに保険がないと不安だし。
急に病気になった場合やガンになったときの手術や入院費用など、いざというときのために保険に入っているという方が多いですね。
私も、そのうちの一人でした。
健康であることに越したことはないけど、いざという時の場合に不安だから保険に入っていました。
不安という漠然とした魔物
保険全般的にですが、万が一の場合に備えるものとして加入されることが多いと思います。
何かあったときのために自分を守る、家族を守る、生活を守るという、いつ起こるかわからないけれど、いつか起こったときのために準備をしておく。
つまり、保険に入ることで未来への「安心」を買っています。
言い換えると、未来には「不安」がつきものであるということです。
未来は誰にも予測はできないですし、たくさんの幸せもあれば、たくさんの不安もあります。
だからこそ「未来の不安に備える」ことは当然のことです。
この予測のつかない未来の不安への保証として保険に入っていますが、あなたが思うその不安というのは「いつ、どれくらいの確立で発生して、どれくらいの備え(お金)が必要なのでしょうか?」
未来のことだからよくわからないし、考えたことないよ・・・
もし、ナオくんと同じような感じであれば要注意です。
本当に必要かどうかという判断ではなく、不安だからという理由だけで保険に入っている可能性が高いからです。
重要なのは
重要なことは「不安を数値化しておく」ということです。
めちゃくちゃ重要なので、もう一度言っておきます。
「未来の不安を数値化し、本当に必要なものだけ絞って保険に入る」ことが重要です。
不安を数値化ってどういう意味?
良い質問ですね。
たとえば、こんなことです。
・手術や入院するとどれくらいの費用が必要なの?
これらの不安を数値化することで、いま加入している保険が自分にとって必要なのかどうかわかります。
2人に1人がガンになるって聞くけど、ホント?
国立がん研究センターが提供している年齢別罹患確率によると、生涯、ガンになる確率は男性が65%、女性が50%以上となっています。
おい、2人に1人やんけ。
記事タイトルで煽っとんか。
はい、2人に1人です。ただし、一生涯を通してガンに罹患する確率が2人に1人、です。
年齢別にみるとその確率はグッと下がります。
実際に、あなたの現在の年齢、そして、何年後にどのくらいの確率でガンに罹患するかを調べてみましょう。
いまの年齢を40歳と仮定し、定年を迎える頃までにガンに罹患する確率をみてみます。
上記の表の通り、40歳の男性が60歳までにガンに罹患する確率はわずか6.9%です。100人に7人の確立です。
一方、女性は以下の通りです。
これからからもわかるように60歳台まではガンになる確率は低いですが、70歳台を迎える頃には確率が急に上がっていくのがわかります。それらをすべて合わせて、生涯、ガンになる確率は男性65.5%、女性50.2%と2人に1人はガンを発症するということです。
2人に1人の確立でガンになるのは事実ですが、「2人に1人」という数字に不安を感じてガン保険に入ってはないでしょうか?
「2人に1人はガンになる時代です」という言葉に反応し、「働き盛りにガンになったときの備えに・・・」と保険に入られる方はとても多いと思います。
でもこのように数値化していみると「ガンは自分には関係ないかもしれない」「ガンは怖いけど、それほど心配することもないかな」と思いませんか?
こういう話をすると、日本は長寿大国だから結局はガンになる確率が高いから保険はやっぱりあったほうがよい、ということを言う方もいます。
もちろん否定はしませんが、1つ質問をさせていただきます。
ガンになった場合、実際にあなたが負担する費用はいくらになるか知っていますか?
手術や入院するとどれくらいの費用が必要?
下表は日本人の死因トップであるガンをはじめとして、代表的な疾患を示したものです。
疾患 | 入院日数 | 入院・治療費用 | 自己負担額(3割) |
肺がん | 16日 | 776,424円 | 232,927円 |
胃がん | 19日 | 999,342円 | 299,803円 |
乳がん | 11日 | 721,921円 | 216,576円 |
急性心筋梗塞 | 14日 | 1,910,134円 | 573,040円 |
肺炎 | 27日 | 650,797円 | 195,239円 |
糖尿病 | 33日 | 635,920円 | 190,776円 |
脳梗塞 | 78日 | 1,501,275円 | 450,383円 |
精神疾患 | 531日 | 15,930,000円 | 4,779,000円 |
精神疾患を除けば、多くても200万以内には収まっていますね。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」では、50代の入院・治療の総額が平均約118万で自己負担額が3割の35万円となっています。
3割負担といってもやっぱり結構かかるわね…。
医療費が3割負担で済むといっても、医療総額が高くなれば負担も多くなるので保険でカバーをしたいという気持ちもわかります。
でもここからが、日本という国のすごい制度が力を発揮してくれます。
個人の自己負担額には上限がある
高額療養費制度を利用すれば、自己負担限度額を大きく抑えることができます。
高額療養費制度とは、1ヶ月(月の初めから終わりまで)に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定の上限額を超えた場合、その超えた金額が戻ってくる制度です。
負担上限額は年収によって変わりますが、多くの人が自己負担10万円以内で済むようになっています。
死因のトップである肺がんを例にみてみましょう。
疾患 | 入院・治療費用 | 自己負担額(3割) | 払い戻し額 | 最終自己負担額 |
肺がん | 776,424円 | 232,927円 | 147,732円 | 85,194円 |
えっ?85,000円で済むの?
これだけ高額な治療を受けても自分で支払う額は10万円以内に収まることがほとんどです。
日本という国はどんな人も平等に医療を受けられ、且つ、個人への負担が極力少なくなるような制度が充実しているのです。
医療の平等なんてどこの国も一緒じゃないの?
全然違います。
例えば、アメリカ。日本だったら10万円で済む治療が、アメリカでは数百万円以上かかってしまうのはザラにあります。
これからからもわかるように、日本は世界の中でも社会保障がとても充実した国です。
このように社会保障が非常に充実している国において、本当に必要な民間保険がいくつあるでしょうか?
一回の上限額があっても、それが何か月も続けば支払っていけるのかしら?
そこもちゃんと考えられているのです。
たとえば、先ほどの例に基づき、一ヶ月の自己負担額が85,000円だっとします。
これが1年続いた場合、85,000円 × 12か月 = 1,020,000円にはなりません。
高額医療費が3か月以上続いた場合、4か月目以降(44,400円)はさらに自己負担額が軽減されます。
今回の場合、
(1か月 – 3か月目) 85,000円 × 3か月 = 255,000円
(4か月 – 12か月目) 44,000円 × 9か月 = 396,000円
合計 651,000円が自己負担額となります。
おぉ・・・まじっすか。。
そもそも高額医療が1年続くことなんてほぼないに近いですが、仮に1年続いたとしても65万円で済むということです。
つまり、どんな高額な治療を受けても100万円でお釣りがくる計算になります。
人生において医療保険に費やす額はいくらですか?
ここまでで、どれだけ日本という国が社会保障が充実している国かわかっていただけたと思います。
さて、ここで改めて数字に向き合ってみたいと思います。
私が加入していた医療保険は月々7,000円でした。
この保険は終身であったため、30歳から80歳まで支払ったと仮定します。
7,000円/月 × 12か月 × 50年 = 4,200,000円
なんと、生涯で医療保険につぎ込む総額は420万円にも上ります。
420万円も掛け捨てで支払うんだったら、貯金したほうがよっぽど良いと私は考えています。
先進医療受けたら、100万円じゃ済まないよね?
先進医療とは保険適用外治療となり、掛かった医療費すべてが自己負担となります。
先進医療にも種類がいくつもありますが、例えば重粒子線治療と呼ばれる治療は1回あたり300万円もの医療費がかかります。
さすがに高いっす・・・払えません・・・
確かに一度に300万円もの治療費を払えと言われると、生活が困窮する人も出てくると思います。
そのために医療保険に入っている人も少なからずいるのも事実だと思います。
でも、この先進医療、「最新技術を使った、従来より効果が高い治療」、だと思い込んでいませんか?
先進医療 ≠ 効果の高い治療ではない
先進医療って超最新医療で効果の高い治療だと思ってたんですけど!
実は、違います。確かに新しい治療であることには変わりありませんが、将来的に保険適用治療の仲間入りを目指してる治療方法ではあるが、現時点、有効性や安全性が高いレベルで証明されていない治療、という位置づけになります。
私も初めて知ったときは驚きました。
しかも、実施件数からみても先進医療を受けるケースは非常に稀、です。
非常に稀なケースに対して相応の価値が見いだせるかは人それぞれですが、個人的には先進医療のために保険に入ることはあまり意味がないと考えています。
継続 or 解約
解約一択だと思います。
日本はみんなでお互いの医療費を支えあう国民皆保険制度が確立されています。この制度のお陰で「誰でも」「どこでも」「いつでも」医療を平等に受けることが可能になっています。
これだけ医療制度が整備されている国は世界を見渡しても少なく、そんな社会保障が充実している日本において医療保険の必要性は限りなく限定的だと思います。
もちろん、人それぞれの状況や考え方が違うため一概に不要とは言えないですが、これをきっかけに本当に必要な保険について見直し、必要なことに備えができるようになればと思います。
[番外編] ゆーて、数か月入院したらどうなるの?生活できんの?
日本は社会保障が充実してるのは、わかった。
医療費の支払い上限があるのもわかった。
でも、旦那が働けなくなったら、収入もなくなるよね?
どうやって治療費払いながら生活するのさ?
( 想像したくないですが ) 生計を担っている旦那が亡くなった場合、住宅ローンの免除や遺族年金の支給により、残された家族は一定の保証を受けることができます。
しかし、数か月に渡り入院や治療が必要になった場合、いくら高額療養費制度があって医療費の支払い上限が決まっているといっても、そもそも収入が途絶えるので医療費を支払えい続けるのか?という不安が残るかと思います。
有給休暇
私たちは働くことの対価として給料をもらっています。
言い換えると働けなくなったときは給与が途絶えてしまう、そう思われている方も多いと思います。
有給がなくなれば無給じゃないの?
会社員には日ごろあまり消化することがない(?)、有給休暇というものが存在します。
有給休暇とはその名のとおり「休んでも給与が支給される」制度のことです。
会社が定めた労働日数と勤続年数によって、付与される有給休暇日数は異なりますが、一般的な会社で考えるとMAX40日間の有給休暇を取得することができます。
つまり、急な入院等で会社を休んだとして40日間の給与は支給されます。
月20日稼働の会社が多いと思いますので、2か月分の給与は確保できる計算になります。
2か月分の給与が保証されているのは安心材料だけど、有給がなくなったあとは無給になるんでしょ?長期入院に備えた保険が必要かしら?
いいえ、大丈夫です。病気やケガで長期入院になっても給料の3分の2はもらえるのです。
えー!そうなの?
傷病手当金
傷病手当金とは、病気やケガなどの休業中に被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。
簡単にいうと、給与の3分の2に相当する金額を最長1年6ヶ月に渡り支給されます。
おぉ・・・まじっすか。全然知らんかった。。
労災とはまた違うの??
はい、労災とはまた違います。
傷病手当金は、業務外による病気やケガの療養により休業した場合に支給される制度になります。
条件を少しまとめておきましょう。
2. 仕事に就くことができないと医師に判断された場合
3. 連続して3日以上働けなくなった翌日から支給
2. 申請から受給できるまで時間がかかる。(2週間~1ヶ月以上)
3. 長期療養の場合、1ヶ月スパンで申請するのが一般的。
1年6ヶ月目以降は?
可能性としては少ないかもしれませんが、1年6ヶ月目以降も引き続き復職ができない場合はどうなるのでしょうか?
例えば、障害認定に該当する症状であれば障害年金が受給できます。
障害年金とは公的年金の1つです。(公的年金には「老齢年金(いわゆる年金と言っているもの)」「障害年金」「遺族年金」の3種類がある)
この記事では障害年金の詳細は触れませんが、働けなくなった場合の社会保障が充実しているのが日本の特徴です。
まとめ
私たちを惑わせる「漠然とした不安」に対して数値的な側面から見てきましたが、いかがでしょうか?
これまでの内容を簡単にまとめておきましょう。
2. 長期療養・入院の場合、最長1年6ヶ月は傷病手当金 ( 給与の3分の2 ) が支給される。
3. 障害認定された場合、1年6ヶ月以降は無期限で障害年金が支給される。
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